日本・ドイツ長期国債価格高騰 2016年7月7日

日本10年国債利回り2016年7月7日

先進国の国債買い進行へ

日本長期国債の利回りマイナス0.28%、ドイツ長期国債の利回りはマイナス0.2%へと 利回りは史上最安値を更新し続けています。同時に日本20年国債も一時マイナス利回りに低下するまで買われる場面がありました。
金融機関や海外機関投資家が世界的に安全資産である日本国債とドイツ国債を買い投資選好から投資選好リスク後退へと資金の流れが進んでいることを表しています。

 

 

国債から見る投資選好リスク後退の2つの側面

  • 投機的マネーの投資縮小を表し、今まで投資されていた資金が撤退することを意味していますので、通貨へ投資されていた円売り主要通貨買いの投機的マネーもポジションが解消され主要通貨売り円買いの展開が表れる場面が増えると予想されます。
    投資選好リスクの後退は、為替市場でも投資心理を低下させるため、主要通貨を売却し円買いへと資金移動が進む値動きとなっています。
    (投資選好→後退→替市場→主要通貨→投資選好→低下→主要通貨下落に影響する)

 

  • 金融市場では日本国債とドイツ国債に対して金利を支払って(マイナス金利のため)でも国債を買い、国債を高値で売却することを示しています。
    これは、金融市場で株式を取引や為替市場で金利差を目的とした積極的投機ポジション取引よりも、国債から得る差益へと方向転換しており、安全資産である国債を買い進めているため国債利回りは低下しています

 

 

 

米GDP2016年7月7日

背景

米GDPは、2015年第2四半期(4月期~6月期)の3.9%へと成長し米経済成長へと大きな期待が高まりましたが、その後徐々に減速し始め、2016年第1四半期(1月期~3月期)は、1.1%まで減速し改めて米経済の低迷が示され、この時点から国債利回りは低下し始めました。
さらに、イギリスのEU(欧州連合)からの離脱が世界経済の減速に追い打ちをかける可能性が高まり、株式や為替への投資から国債投資へと方向転換が急速に進む結果となりました。
米とユーロ圏の経済減速はすでに世界最大の輸出国中国経済へと波及しており、経済減速の影響を強く受ける企業利益の減少から欧州株式や日本株式などは売却が急速に進み、売却された資金が国債に流れ込んでいます。特に日本長期国債とドイツ長期国債の利回り低下に表れています。

参考 : イギリスEU離脱の影響鮮明に

 

 

 

国債利回りの解説

利回りは国債の本来の額面(100円)に対して保有期間(償還期間)まで受け取る金利と売却価格から購入価格を差し引いた差益を実際に保有した期間(もしくは保有予定期間)を割った値を実際購入価格で割ることで産算出する値です。
分かりやすく言い換えると、

(A) 国債売却もしくは償還価格(償還期間まで保有)から得る差益(差損)を保有期間で割る = 年間あたりの保有した期間に対する利益(差損)率

(B) 国債からもらえる1年間の金利(表面金利)と、(A)から得た1年間の利益(差損)を合計し、1年間あたりの差益(差損)を計算する

(C) (B)で算出した1年間の利益率を購入金額で割る = 購入金額に対する 1年間あたりの利益 = 利回り

(D) 利回り上昇 = 国債価格下落 = 国債売り傾向
(E)  利回り低下 =国債価格上昇 = 国債買い傾向

■現在利回りはマイナスとなっていますので、(1)の年間あたりの差損が発生している計算となります。これは、金融市場で国債が買われ続けたため、購入金額が償還価格(償還期間まで保有)を大幅に上回る状態にあり、日本長期国債(10年債)を償還期間まで保有すると、償還(満期換金)額が100円のため、差損が発生することを表しています。
※ 日銀金融政策のマイナス金利とは異なることに注意

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