争点 : ドイツ銀行 2016年10月1日

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争点:ドイツ銀行

ドイツ銀行の問題は金融機関としてリーマンショックとよく比較されますが、市場規模が大きく違い、リーマンショックはサブプライム証券の不良債権を合成した債権(CDO)の評価損や損失から起こった、金融危機の中の1つとなります。
ドイツ銀行のリスクを知るには、サブプライムリスクとリーマンショックを理解する必要があります。

サブプライム証券の額は住宅ローン担保証券(RMBS)だけで、2兆ドルで、それを合成証券化(COD)し、デリバティブ取引していたため、10兆ドル以上の被害総額がと見積もられています。
※ 純粋なサブプライムローン2兆ドルを色々な債権と合成(債権Aと債権Bで債権Cを合成し、債権Aに債権Cを合成するなど、無制限)し、更にデリバティブで20倍以上の取引をしているため、総額は10兆ドル以上が見積もられています(2兆ドル ✕ CDO額 ✕ デリバティブ:レバレッジ = 被害総額)
※ ドイツ銀行への制裁金は、サブライムローン問題と比較すると非常に小規模となります

 

 

サブプライム証券

そもそも、サブプライム証券は返済不能な所得者に対して、担保や所得に関係なく高額な不動産ローンを貸し付けていまいした。
担保や所得の裏付けが無いため、貸し付金利は高額で15%以上が平均的で、その貸し付けた高利回りの債権を国債などと組み合わせ、優良債権として世界に販売していました。
高金利で不動産ローンを貸し付けているため、その債券の金利が高く世界的に売買され、販売規模は世界に波及し欧州諸国でも大規模に取引がされていました。

高額な金利のため、2006年以降に債務者は金利の返済が滞り始め、家・家具・車など多くの財産を失うことになります。
返済が滞り始めたため、サブプライム証券(CDO)の劣化が進み、サブプラム証券を取り扱っていた、各国の金融機関は評価損や純損失が拡大し政府の資本注入を受けることになります。

住宅ローンで米国市民が容易に住宅取得することを目的とした政府支援企業ファニーメイやフレディーマックなど民間金融機関から直接住宅ローン債権を買い取り住宅ローンを拡大させて、米国民の住宅購入の夢を実現してきましたが、多額のサブライムローンを購入していたため、破綻していきます。
米大手金融機関であるゴールドマンサックスや米JPモルガン・チェースやAIG 、モルガン・スタンレーなど保険会社は政府の救済を受けますが、ベアスターンズやCITYBANK 、 メリルリンチなどの大手金融機関は倒産し後買収されました。
欧州ではフランスに拠点をおくBNPパリバ はサブプライムローンを多く購入していたため、預金封鎖を行った最初の銀行として、サブプライムローンの被害の大きさが全世界に広がったことを物語っています。

 

 

サブプライム証券の重要な用語

  1. CDO = サブプライム証券を購入して利回りを上げていたのは米国だけではなく、欧州の多くの金融機関も、その債権利回りの高さから多額のサブプライム証券(CDO)を購入しており、その被害総額は2,000億ドルを越え、ギリシャの債務危機など、後遺症は大きく残っています。
  2. トランシュ = 元からの不良債権を隠すためトランシュA・B・C・D・E という格付けで表現し不明瞭である反面、トランシュとの表現から優良債権であるとの誤解を作り出した(日本ではあまり知られていない)

 

 

リーマンショック

買収されず、破綻額も大きくサブプライム証券問題の最盛期 最後に破綻した大手金融機関であり、その本質はサブプライム証券問題の1つのブロックで捉えられています。
最終的に、リーマンブラザーズの救済目的でゴールドマンサックスがリーマンブラザーズの保有ポジション(デリバティブやオプション)を知り、このポジションと逆ポジションを取り、リーマンブラザーズを破綻させることで、多額の利益を上げています。
その他、CTIYBANK、モルガン・スタンレーなども、ヘッジファンドから格好の空売り対象となり、市場心理は下落心理へと進むことになります。

ゴールドマンサックスはリーマンブラザーズのと逆ポジションを持っているため、リーマンブラザーズの破綻を早めるためにリーマンブラザーズの株式を空売りし、資本調達(証拠金調達)を阻止しています。
これらの点からも、リーマンブラザーズがハイライトされていますが、その問題の本質はサブプライム証券やゴールドマンサックなど、サブプライム証券を多く保有していた金融機関に対して大規模な空売りが発生し、市場心理は下落一色に染まったことが分かります。(日本では知られていませんが、米金融業界では当然のように知られています)

リーマンブラザーズは当時の米財務長官である、ヘンリー・ポールソンがゴールドマンサックス出身であることなどから、リーマンブラザーズに対して政府救済することに対して、当初から消極的でゴールドマンサックスに最大のライバルである、リーマンブラザーズの倒産を待っていたとまで言われています。(日本では知られていませんが、米金融業界では当然のように知られています)

※ 株価が下落すると株式の格付けが下げられ、資本金の借入や借入限度額が減額されます。限度額の減額は、当初借入ている限度額上限値から下げられるため、逆に返済が必要となりますので、リーマンブラザーズはこの借入限度額の減額により、借入額の返済が早まり、さらには倒産へと進んでいます。

 

 

市場心理から流動性リスクへ

大手金融機関の株式下落で利益を上げる、ヘッジファンドが多く存在しその額は2,000億ドルを越える規模で空売りされ、経済システムは混乱しました。
この、混乱から市場心理は下落へと染まり、株式市場と為替市場は大暴落へと進む一方で、この暴落で利益を上げるヘッジファンドや米ゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、などは、政府からの救済資金を得ながら膨大な利益を上げていく状況となりました。

この状況下で、市場心理は低下し流動性リスクが発生しました。
この流動性リスクが金融市場にさらに大きな混乱をもたらし、暴落が続く結果となります。

 

 

流動性リスク

(A)一般的に、金融機関は、預金者や投資家から預かった資金、借入資金で融資・投資を行っています。 世界経済の悪化傾向や、高い金融リスクが発生すると、世界はリスク回避が進み株価が下落し、その結果、金融機関が保有している株式の損失は拡大するため、現金化出来る手元の資金流動性(現金化できる資産)が減少する傾向が強まります。

(B)預金者や投資家など、金融機関や投資銀行への債権者は現金を引き出す傾向が強くなります。 金融機関や投資銀行は返済に応じるため株式や債券を売却して現金化しますが、株式や債券は評価損失(時価評価で損失)が出ているために、現金化する額が減り、金融機関・投資銀行が救済支援対象や破綻に該当する傾向が強まります。 更に、この救済支援対象や破綻傾向に該当する株式や債券を保有している企業や金融機関が債務を抱えることになるため、債務の連鎖が始まることになります。 ※ 極端に資金の流れがネガティブとなり、資金流通量が減少する傾向が強まります

(C)・・(A)(B)から、多くの金融機関は相互に短期的は融資をし合っているのですが、この相互融資が減少し手持ち流動性(現金/現金化できる資産)の少ない金融機関は倒産することになります。その結果、同じようことが頻発し金融危機へと発展することになります。 ※ 不安定な市場心理による現金化や安全資産への逃避が流動性リスクを上昇させると捉えることができます

流動性リスクは高い金融市場でリスクが発生すると、世界はリスク回避が進み株価が下落するので、その結果、金融機関が保有している株式の損失は拡大するため、現金化出来る手元の資金流動性(現金化できる資産)が減少する傾向が強まります。 ごく短期間で資金の現金化と安全資産への逃避から、資金の流動性が安全資産へと一方方向へとなり、著しい資金の流れが発生し、特に新興国の国債価格が下落しするので世界経済を発端とした経済危機へと発展す

 

 

争点:ドイツ銀行の比較

ドイツ銀行が単体で発行するCOD(合成債権)はサブプライム証券の発行残高よりも、圧倒的に少なく世界経済に及ぼす影響は限定的と予想されます。
現在のところ市場心理は比較的穏やかで、流動性リスクの発生も見られません。
それは、現金化による株価の暴落や安全資産である主要国債利回りの急激な低下が見られないことからも表れています。

ただし、ドイツ銀行が破綻した場合当然ながら一時的なリスク回避(資金の逃避)は発生しますし、株価は急激に下落しますが、サブプライムリスクやリーマンショックほどの連続的な暴落に発展しないと予想されます。
この点から、ドイツ銀行が破綻するかしないかの予想ではなく、株価の下落速度や国債利回りの低下速度から把握計測しポジションの構成比率を変化させることが最大の重要な争点となります。

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